University of California, Los Angeles
School of Law

1 UCLA, School of Lawとは

 UCLA, School of Lawは、まだ誕生して50年余りしか経っておらず、US News上位30ロースクールの中で、もっとも新しいロースクールである。歴史が浅い分、Rankingという意味では劣る面があるのは否めない。

 じゃあ、Harvardその他、米国の他のLaw Schoolと比べて、全く劣るのか。NYU、Berkeley、コロンビア、その他の名だたるロースクールと比べたら全然駄目か。これは、人の価値観次第としかいえないが、以下述べるような特徴があるので、十分迷って頂くだけの価値はあるのではないか、と思う。

(1)地域1番校であること

 カリフォルニア州では、多くの人が州内の4つの大学をTOP校と考えている。それが、Berkeley、Stanford、USC(University of Southern California)、そしてUCLAである。この中で、UCLAは、US Newsのランキングでは、USCよりは上位であるが、Berkeley、Stanfordには劣る。しかし、カリフォルニア州は大きく、この州だけで日本よりも面積が大きい(実際、日本の領事館も、同じカリフォルニア州内に、サンフランシスコ、ロサンゼルスの両方に設置されている。州内に2つの領事館があるのは、全米広しといえどもカリフォルニア州だけである。)。ロサンゼルスを中心とする南カリフォルニア地区で考えれば、UCLAのプレゼンスは、勿論TOPとなる。

 米国の大学の選択においては、各州がいわば「国」のような役割を果たしていることを考えると、確かにランキングが上位であっても、同一都市にもっと上位の大学がある大学に比べれば、地域1番校の方が、知的集積・レピュテーションの面で有利である(たぶん)。

(2)ロサンゼルスという地にあること

 ロサンゼルスは、全米で2番目に大きい都市であり、ハリウッドやディズニーランド等、Entertainmentの街として知られている。また、Santa Monicaなど、美しい海を持つ場所も数多く存在する。実際、遊ぶ場所には困らない。

 この街は、確かに治安の悪さ、公共交通機関の不発達(東海岸と違い、鉄道網が未成熟であるので、車がないと生活できない)などは、日本人からすればマイナスであるが、ただ、UCLAのあるWestwood地区は、Los Angelesの中では治安は良い。確かに場所によっては浮浪者も存在するが、日本の感覚と比べて極端に治安が悪いと感じる程ではない。

 また、Los Angelesは、Little Tokyoが存在することからも分かるように、日本人が多い街でもある。これは、食事面など、生活の質的な水準の維持を考えると大きな利点である。在留届を出している日本人だけで6万人を越えるらしい。
 例えば、UCLAから車で約10分ほど離れたWest Los Angelesのソーテル(Swatell)通り沿いには、多くの日本人向けの商店が建ち並んでいる。日系スーパー(ニジヤ)や書店(旭屋書店)、本当の寿司屋(カリフォルニアロールではない)も存在する。UCLAから車で約40分南下し、トヨタのあるTorranceまで行けば、日系スーパーが3つも存在し、あの旭川ラーメン・「山頭火」も日本同じ味を提供している。いまこの文書を書きながら飲んでいるお茶は勿論「おーいお茶」であり、決して安くはないが、これを2g2.99ドルで買っているので(これはこちらでは少し安い)、コンビニで買う価格程度で入手可能ということになろうか。

 日系人が多いことだけがロサンゼルスの特徴ではない。日系人以上に、中国人や韓国人が多い。特に韓国人街は、非朝鮮半島では最大らしい。実際ばかでかい(地下鉄の駅で3駅行ってもまだハングルに出逢える・・・)。直近の市長選挙ではヒスパニック系の市長が誕生し、また歴史的経緯から、ヒスパニックの街として認識されるロサンゼルスであるが、今述べたようなアジア人の街という側面も強いのである。

 米国の大学院で勉強はしたいが、しかしこれらかは米国一辺倒の世界ではなくなると考える場合に、他のアジア諸国を実感する場が欲しくなる。そういう意味では、ロサンゼルスという場は、非常に都合の良いDiversityを体験できる場ではないだろうか。

(3)気候

 米国のトップ校は概して冬寒い場所に存在することが多いが、ここロサンゼルスは、夏涼しく冬暖かい場所である。夏は、湿度が低いこともあり、明らかに日本の夏よりも過ごしやすい。最高気温も30度を超えない日も多い。冬は東京と比べると+5〜10度くらいの感覚らしい。長袖Tシャツ程度で昼間は大丈夫とのことである。気候くらいたいしたことないと思うかも知れないが、車社会である米国で、冬凍結した路面を運転することの危険なども考慮すれば、これほど有り難いことはない。

(4)大学そのもの

 ロースクールは、中規模という程度であり、比較的皆親しくなりやすい。また、図書館にはアジアの法律文献が極めて充実しており、特に日本法の文献は充実を極めている(4階建ての図書館の3階が国際的な法律の場所であるが、ここの半分程度を日本法の文献で占めている)。これに勝るのは、コロンビア大学位ではないか。最新の法律雑誌がほぼ全て揃っている(揃っていないのはNBAくらい・・・判例タイムズ、判例時報、ジュリスト、商事法務、金融商事判例、最高裁判解、民商法雑誌、パテント、コピーライト、あと著名な日本の法学部の学術雑誌(京大の「法学論叢」など)がある。民商法の注釈も、若干古い場合もあるが存在している。)。いわゆる基本書的な書籍は新しいものがないが、それ以外は本当に充実している。

文責 藤本一郎 2005年10月17日

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