私は大学に行くまでの約１８年間、広島に住んでいた。私の両親は共に（広島）県外の出身者なので、うちの家族には被爆者はいない。だから私は広島の苦しみを実感として理解していないのかもしれない。しかし、私なりの小さな使命感で、原爆や平和について、語り継いでいかねばならないと思うのである。

　私はよく大学の友人等を平和公園に案内する。だけど、それは１億２０００万の日本国民、まして６０億の地球市民の中ではごくごく一部に過ぎない。このホームページを作成した意図は、是非とも皆さんにも直接、平和公園に足を運んで、皆さんなりの平和感に広島的なものも加えて頂きたいと思ったからである。

　慰霊碑の石碑には写真では見えないが「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませんから」という文字が刻まれている。私はここに来るとき、いつも考える。私にこの言葉を言う資格があるのか、と。

　ＣＴＢＴ（包括的核実験禁止条約）は９６年９月に締結され、原爆ドームは９６年１２月に世界遺産に登録された。平和への歩みは確実に進んでいるかに見える。しかし、世界を見渡せば地域紛争は絶えず、ＣＴＢＴでさえもインドが批准しない為に発効の見込みは立っていない（インドの言い分にも一理ある）。

　決して平和は確実なものではない。だからこそ、私たちは平和とは何か、戦争とは何か、原爆とは何かについて、いつも考えて、決して「平和ボケ」することのないようにしなければならないのではないだろうか。

　写真でははっきり見えないが、慰霊碑の奥に平和の泉と平和の灯火がある。この炎は、世界中から核兵器がなくなったときに消されることになっている。

　平和について考える為に、平和公園は私たちに大いに解放されている。原爆資料館（正式名：平和記念資料館）は大人の入場料が５０円である。私は平和公園を案内する際、案内する相手にもよるが、資料館だけで１時間以上は時間をみておく。公園をくまなく案内すれば半日だ。こんな安上がりな名所はない筈だ。

(97/01/28)

平和記念資料館
Tel 082-241-4004
５月〜１１月　９時〜１８時
１２月〜４月　９時〜１７時

広島駅より、市内電車（広島電鉄）宮島・己斐方面行き乗車１０分、原爆ドーム前下車、平和公園内徒歩５分。

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